少年院面接員として少女たちの心にふれた、21年間のドキュメント

「私は、悪いことばかりして、親を怒らせたり、泣かせたりしてきた。世の中からはもちろん、親からも見捨てられたと思っていたけれど、親は見捨てないんだね・・・。」

  私はこんな正直な子どもの心情に、ただただ幸せな気分を味わいます。

 

 歌手・千葉紘子が法務省の委嘱を受け少年院篤志面接員になって二十一年。その間多くの少女たちと出会い、心のひだにふれてきました。暴走族、恐喝、援助交際、覚せい剤―過ちをおかしてしまった少女たちは、少年院で自分を見つめ、立ち直りへ向けて一歩一歩あるき始めます。―心の青空を求めて。

 本書には、そんな少女達の、苦しみや悲しみ、喜びや感動が綴られています。


本文より

 

ちょっと遊んでいるつもりの非行が、やがて世の中に被害をもたらすことにつながり、自分自身を落とす結果をもたらし、その不安をまた非行で紛らわす、迷い道をズンズン進んだ十代の日々。

「少年院へ来て良かった」

 少年たちと真摯に向き合う大人のなかで、ホッとした顔を見せる、それも少女たちの正直な顔です。

   



ある少女の詩から

 
         お母ちゃん

 

審判の日 お母ちゃんが来た

出してくれると言っていたはずのお母ちゃんが

私を少年院に入れた

お母ちゃんの気持ちも考えず文句を言って責めてしまった

と同時に私の腕にガチャッとかたいものがつけられた

 

お母ちゃんはおこりもせず笑いもせず

ただ「がんばられよ」と言っていた

お母ちゃんの背中はなぜか悲しそうだった

 

少女苑に入ってからもずっと恨み続けた

そして 思いのたけを手紙にして

お母ちゃんに文句だらけの手紙を送った

 

(中略)

 

数日後 お母ちゃんは事故で死んだ

葬式でお母ちゃんをみると涙が次から次へとあふれでてきた

 

私はお母ちゃんの髪をなでながら「ごめんね」とあやまった・・・

・・・大好きなお母ちゃん




少女たちを否応なく非行に駆り立てたものは何だったのか、彼女たちの心の旅路をたどってみます。